リスクマネジメントとは

 リスクマネジメントとはリスク管理や危機管理のことである。具体的な手順はリスクの洗い出しと評価を行い、リスク別に対策と対策の発動条件を設定してリスクに備えることである。1995年の阪神淡路大震災では鉄道会社や電力会社の大規模災害時の対応は迅速であった、迅速な対応が取れた背景にはリスク発現時の対策マニュアルの整備があったと考えられる。阪神淡路大震災以降、一般的な企業でもリスク管理が進むようになり、JISにもリスクマネジメントの原則及び指針が設定された。一般的なリスク管理ではリスクの洗い出し、定性的リスク分析、定量的リスク分析を行い、次にそれぞれのリスクに対策と対策の発動条件を設定する。以下にリスク管理の一般的な手順を示す。リスクマネジメントは図に示す損害度発生頻度マトリクスで示すことにより、可視化可能である。

(1)定性的リスク分析を行い、リスクの性質と発生頻度を定性的リスク管理表に記載する。

(2)定量的リスク分析により、定性的リスク分析で対応が必要となった項目に関してリスク発生時のEVM(Expected Monetary Value:期待金額価値)を損失額と発生確率から算出して定量的リスク管理表に記入する。次にリスク対策案の策定とリスク対策案の発動条件を策定してリスク管理表に記入する。

(3)リスク管理表に記入されたリスク発生の早期検知を行うために業務の進行状況のモニタリング方法を策定する。モニタリングする項目として作業の生産性、就労時間、ガントチャート上のマイルスストーン達成数、エラー発生数、手戻り発生数、スタッフへのヒアリングがある。

リスクの損害費用(期待金額価値)は以下の様に計算される。

リスクの損害費用(期待金額価値)=発生確率×発生時損害費用