技術は再現性

 技術とは再現性のある手順のことで、一定の道具、一定の材料を使ってある目的を達成するための確立された手順のことです。技術は、より正確により早く、より効率的な手順へと進化します。一般的に日本では技術は個人のスキルであるのに対して、欧米ではマニュアル式の働き方に伴い、技術の改善はマニュアルに織り込まれます。たとえば欧米の製造方法はマニュアル主義であり、改善はより優れたマニュアルを作成することみなされます。具体例としては図1に示すCMMI(Capability Maturity Model Integration)能力成熟度モデル統合があります。CMMIは組織におけるソフトウェアプロセスの能力成熟度を示す参照モデルであり、カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所で開発されたソフトウェア開発に関するモデルです。組織の能力はレベル1~5で示され、各レベルで必要となるプロセスが規定されています。CMMIのレベル4では、定量的にパフォーマンスの測定を行い、プロセスを改善することが求められています。つまり良いマニュアル作りが改善となります。マニュアルの改定数をKPI(Key Performance Indicator)として、組織の改善活動を計ることができまう。また、欧米ではプロジェクトマネージメントやリスクマネジメント手法に見られるように人の能力に依存しないシステマティックな手法が利用されます。

図1 CMMI